[佐野正弘のスマホゲーム業界動向] ゲームアプリの傾向はどう変化したか? App Storeのサブカテゴリから分析

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2014/07/14 (Mon)
スマホゲーム集客


[佐野正弘のスマホゲーム業界動向] ゲームアプリの傾向はどう変化したか? App Storeのサブカテゴリから分析

-はじめに-

Webベースのハイブリッド型から ネイティブアプリへと人気ゲームの仕組みが変わってきたのと同様、 スマートフォンの人気ゲームのジャンル・内容も、 現在に至るまで大きく変化しています。
そこで今回は、 App Storeのゲームにおけるサブカテゴリから、 これまでの人気ゲームの動向推移と、今後の傾向について考えていきます。

そこで今回は、 App Storeのゲームにおけるサブカテゴリから、 これまでの人気ゲームの動向推移と、今後の傾向について考えていきます。

図1

▲App Storeの「トップセールス」ゲームアプリが所属する サブカテゴリの推移

目立つRPG人気と安定した強さを見せるカードカテゴリ

表の内容を見ると、1つ大きく目立っているのは、 やはり「ロールプレイング」のカテゴリが最も数が多く、人気が継続しているということです。 コンシューマーゲームの流れを汲んでか、RPGの人気が圧倒的に高いというのはスマートフォンのゲームにも如実に表れているようです。 他にも比較的安定した強さを見せているのが、3年間を通して2桁台をキープしている「カード」のカテゴリです。 このことはやはり、モバイル・ソーシャルゲームから継続してきた、ガチャやキャラクターといったカードバトル的要素が、現在も受け入れられていることを意味しているといえます。 純粋なカードバトルタイプのゲームの勢いは一時期ほどではないものの、 カード、ひいてはキャラクターを収集し、戦闘などに活用するという要素が ゲームの一部として重要な位置を占めているのは確かです。

急速な伸びを見せるアクション・パズルのカテゴリ

また、3年間で急速な伸びが見られるのが 「アクション」「パズル」のカテゴリです。 こうした要素を取り込むのはネイティブアプリでないと難しいことから、 これらの伸びはネイティブシフトが急速に進んだことの証といえるでしょう。 しかし、両者の伸びを見ると、 「アクション」が毎年6本ずつ数を増やしているのに対し、 「パズル」は2014年に1本しか増えていません。 パズルが伸び悩んでいるのには、 「パズル&ドラゴンズ」や「LINE POP」などのヒットが影響したものの、 それ以降LINE GAME以外で主だったヒットタイトルが生まれていないことが影響しているといえそうです。

他プラットフォームと傾向が近づきつつある、スマートフォンゲーム

これらの要素を総合すると、 現在スマートフォンで高い売上を上げているのは、 「アクション」と「カード」の要素を備えた「ロールプレイング」ゲーム、 ということになります。 あくまでカテゴリからの動向分析なので少々大雑把ではありますが、 「モンスターストライク」など最近のヒットゲームの傾向を見ても、 大きなずれはないでしょう。 そしてこの傾向は、アクション要素の高まりと共に、 スマートフォンのゲームが他のプラットフォームと傾向が 近づきつつあることを示しています。

トップ無料におけるサブカテゴリの傾向変化~ゲームの高度化~

そしてもう1つ、 「トップ無料」におけるサブカテゴリの傾向変化を見ると、 ゲームの高度化という側面も見て取ることができます。

図2

▲App Storeの「トップ無料」ゲームアプリが所属する サブカテゴリの推移

ゲームに高度な内容を求めるようになったユーザー

「トップ無料」のランキングは、売上に左右されないことから カジュアル要素の強いゲームが上位に現れやすい傾向にありますが、 従来主流であった、短時間で遊べる「アクション」「アーケード」カテゴリが減少傾向にあるのに対し、より複雑な内容になりやすい「ロールプレイング」「ストラテジー」といったカテゴリが著しく伸びているのが分かります。 無論ブーストによる影響などを考慮する必要はありますが、 それを差し引いても ユーザーがよりゲームに対し、高度な内容を求めるようになったことを 見て取ることができるのではないでしょうか。

強まるゲームのコア化、リッチ化の傾向

こうした傾向には、 ゲームをプレイするユーザーの目が肥え、 コア化してきていることが大きく影響していること、 そして高度化・複雑化による差別化を図るケースが増えてきていることが 上げられるでしょう。 それだけに今後は、カジュアル路線で収益を上げることのできる LINE GAMEなど一部を除くと、 ゲームのコア化、リッチ化の傾向が強まる可能性が高いといえそうです。

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執筆者紹介
佐野 正弘(さの まさひろ) モバイルジャーナリスト
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

■定期執筆中の媒体
「佐野正弘が読み解く スマホアプリマーケット傾向と対策(日経BP社)」 「佐野正弘のスマホビジネス文化論(アイティメディア社)」 など多数。