[佐野正弘のスマホゲーム業界動向]スマートフォンゲーム大手が集結した「闘会議2015」レポート

absuke absuke
2015/02/20 (Fri)
スマホゲーム集客


[佐野正弘のスマホゲーム業界動向]スマートフォンゲーム大手が集結した「闘会議2015」レポート

-はじめに-

ゲームアプリのプロモーション手法のひとつとして、
イベントへの展示も最近取り上げられるようになりました。
そのイベントのひとつとして、先日、幕張メッセにて
みんなが遊べる、楽しめる“ゲームのお祭り”「闘会議2015」が開催されました。

そこで今回は、2015年1月31日~2月2日に実施された、
「闘会議2015」のレポートをお送りします。
本イベントでのスマートフォンゲームベンダー各社の
展示の動向を振り返ると共に、ゲームアプリのイベント活用に
ついて考えていきたいと思います。

「闘会議2015」にみる、ゲームアプリのイベント活用

1月31日~2月1日にわたって実施された、
動画投稿サイトの「niconico」ゲーム関連イベント、「闘会議2015」。
このイベントは、特に今後のゲームアプリのプロモーションを考える上で、
非常に興味深いイベントだったといえます。

そこで今回は、同イベントにおける
スマートフォンゲームベンダー各社の展示動向を振り返ると共に、
ゲームアプリのイベント活用について考えていきたいと思います。

ユーザー参加型イベントとしての位置づけ

「闘会議2015」は、ドワンゴが展開するniconicoのイベント「ニコニコ超会議」の中から、
特に人気の高いゲームの分野を独立させたイベントであり、今年初めての開催となります。

通常のゲームの見本市イベントと大きく異なるのは、“ユーザー参加型”という点で、
企業だけでなくユーザーによる展示も実施されているほか、
コンピューターゲームだけでなく、カードゲームやボードゲームなど、
アナログゲームに関する展示も設けられていました。

目立つ、スマートフォンゲームアプリの展示

ですが、闘会議2015の会場を実際に見て回ると、
展示の中心となっていたのは、
明らかにスマートフォンのゲームアプリだったと感じます。

その理由は、ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下、ガンホー)、
ミクシィ、コロプラ、LINEといったゲームアプリベンダー大手が、
軒並み大規模なブースを出展していたこと。
他にもサイバーエージェントが単独でブースを構えていたほか、
スクウェア・エニックスやセガなどもスマートフォンのゲームに関するイベントを実施。
いずれのブースもイベント開催時は多くの人で溢れかえり、高い人気を獲得していたのです。

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▲闘会議にはガンホー、ミクシィ、コロプラ、LINEの4社が、
会場の四隅に最大規模のブースを構えるなど、積極的な展示を実施していた

これまではイベント参加に積極的でなかった、スマホゲームベンダー

筆者もこれまで、さまざまなゲーム関連イベントの取材をしていますが、
従来の傾向を見ると、スマートフォンのゲームベンダーは
ゲーム関連のイベント参加にあまり積極的でなかったと感じています。

その理由の1つは、スマートフォンのゲームはパッケージ販売よりも
基本料無料・アイテム課金というビジネスが主体であること。
ゲーム自体は配信後に無料で楽しめることから、
コンシューマーゲームと同じ試遊台展示によるアプローチでは、
有効なアピールにつながらなかったのです。

ユーザー層のミスマッチも参加に積極できてなかった理由

そしてもう1つは、ユーザー層のミスマッチです。
コンシューマーゲームとスマートフォンのゲームは、
ゲームのプレイスタイルやビジネスも大きく異なることから、
実際にゲームをプレイし、ファンになってくれる層がかなり異なっています。
そのため、コンシューマーゲーム主体のイベントに
スマートフォンのゲームを展示しても有効な集客につながるとは限らず、
逆にコンシューマーゲームのファンから批判を集めるなどの問題も抱えていました。

ゲームアプリベンダー集客のキーワード、「動画」

それが一転して、闘会議2015にゲームアプリベンダーが集結したのには、
やはり“動画”が大きなキーになったといえそうです。

近年、特に若年層を中心として、
スマートフォンで動画を見る習慣が根付いてきていることから、
ユーザーがゲームのプレイ動画を動画サイトに投稿して楽しんだり、
ゲームベンダーが自らゲームに関する番組を実施して
PRしたりするケースが増えています。

増える支持層 ~女性や小学生のファン増加~

動画もスマートフォンのゲームも、共に若年層の支持が高く、
最近では小学生にまでその支持層が広がっています。

実際、闘会議2015の会場を見ると、
スマートフォンのゲーム関連のイベントには、
他のイベントと比べても女性や小学生が多く集まっており、
支持層をうまく集めている印象を強く受けました。
ファンが確実に集まる場でイベントを実施できることが、
大手ゲームベンダーが軒並み出展を実施した大きな要因といえるでしょう。

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▲いずれのブースもniconico上で動画配信を実施しているのに加え、
ゲーム実況で人気の“生主”がイベントに多く登場するなど、動画を強く意識した構成となっていた

ゲーム自体だけでなく、それを楽しむファンに主眼を置いたイベント

ユーザー参加型というイベントの性格も、出展には大きく影響したと見られます。
闘会議2015における各社のブース構成を見ても、ゲームに関する展示はごく一部で、
基本的にはステージに大きなスペースを割き、ゲームのファンや、
ゲーム関連動画を視聴しているファンに対するイベントに注力する構成となっていました。
こうした構成を実現できるのも、ゲーム自体ではなく、
それを楽しむファンに主眼を置いたイベントだったからこそといえます。

強まる傾向~既存のファンとの接点として活用~

実は昨年の「東京ゲームショウ2014」においても、
スマートフォンのゲームを提供するベンダーは
ゲームの展示に力を入れず、イベントにスペースの大半を割く傾向が強まっていました。

そうしたことから、スマートフォンのゲームにおいて、
イベントは新規ユーザーに対するゲーム自体のアピールとして
活用するよりも、既存のファンとの接点として活用し、
継続利用につなげた方が効果的といえそうです。

イベントの重要性と活用法を知る契機

イベントはゲームのファンと直接交流を持ちつつ、
ロイヤルカスタマーへと引き上げるために有効なプロモーション手段となることから、
競争が加速するであろう今後は、活用が一層増えていくと考えられます。

それだけに闘会議2015は、スマートフォンのゲームベンダーにとって、
イベントの重要性とその活用法を知る、よい契機であったといえるのではないでしょうか。

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▲昨年の東京ゲームショウより。ディー・エヌ・エーやボルテージなど
スマートフォンゲーム関連ベンダーは、そのほとんどがブースの大半をイベントに割いていた

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執筆者紹介
佐野 正弘(さの まさひろ) モバイルジャーナリスト 福島県出身、東北工業大学卒。
エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

■定期執筆中の媒体
「佐野正弘が読み解く スマホアプリマーケット傾向と対策(日経BP社)」 「佐野正弘のスマホビジネス文化論(アイティメディア社)」 など多数。