【スマホゲーム動向】 懐かしの「あの感覚」/事前予約30万人を積み上げた注目タイトル、『城とドラゴン』リリースまでのプロセスとは?

absuke absuke
2015/03/03 (Tue)
スマホゲーム集客


【スマホゲーム動向】 懐かしの「あの感覚」/事前予約30万人を積み上げた注目タイトル、『城とドラゴン』リリースまでのプロセスとは?

-はじめに-

2月の第1週に、「事前予約数30万人突破!」という、
びっくりするような数字がニュースを駆け巡りました。
アソビズムが贈る新作「城とドラゴン」です。

事前予約である程度まとまった数積み上げる上で、
これまでは「5~10万件」が一つの指標と見られていましたが、
これを大きく上回る結果でもありました。

同作は、iOS配信を開始してまもなく1ヶ月が経過します。
リリース後のランキング動向も振り返りつつ、
「城とドラゴン」はどのようにして数字を積み上げていったのか?他タイトルとの違いは?など、
初出のプレスリリースからiOS版リリースに至るまでの課程を振り返ってみたいと思います。

「城とドラゴン」リリース後のランキング推移(無料TOP)

リリース直後よりTOPを独走、
2月半ばに入って徐々にランクが下降するも、21日のCM放映直後より息を吹き返している印象です。
(このタイミングでリワード広告を実施したのだろうか?というくらい急上昇しています)
なお、現在iOS版はサービス開始1ヶ月経たずして70万DLを突破し、現在は70万DL突破の記念キャンペーンを実施中です。

城とドラゴン_iOS_Storeランク履歴_無料_App Annie
▲城とドラゴン iOSリリースからのランキング推移(無料ゲーム・無料全体カテゴリ)AppAnnieより

「城とドラゴン」リリース後のランキング推移(売上)

リリース直後、無料ランキング1位を独走していた時期の売上ランキング40位を山に、1ヶ月間100位以内をキープできています。
課金できる要素が、他ゲームに比べそれほど充実している!という訳ではありませんが、それでも結構課金はされているようです。
Apple売上ランキング100位の月商が3,000万程度であることを踏まえると、日商100万程度ペースの売上をだしていると推測できます。

城とドラゴン_iOS_Storeランク履歴_売上_App Annie
▲城とドラゴン iOSリリースからのランキング推移(売上ランキング、無料ゲーム・無料全体カテゴリ)AppAnnieより

iOSリリースまでの動きを追ってみた

以下の表は、城とドラゴンがリリースされるまでの間、どんな施策を行っていたかをまとめたものです。

shirodora2014
▲城とドラゴン iOSリリースからの動き(2014年)※ABC調べ
shirodora2015
▲城とドラゴン iOSリリースからの動き(2015年)※ABC調べ

2014年5月、ティザーサイトオープン

ティザーサイトが公開されたのは2014年の5月。当初は2014年夏にはリリース予定のタイトルでした。

城とドラゴン_201405
▲城とドラゴン ティザーサイトオープン当時。
タイトルと、配信開始時期のみの記載でどういった情報かほとんどわからない。

2014年9月、公式サイトに謎のイメージソング登場!?

夏を経て、9月にキービジュアル画像と謎のイメージソングが流れ始めます。

———-
ララララ、しぃ~ろとぉ~、ド~ラゴ~ン~
とじてるあいだに、はたらくぅ~~~~~~~♪(以下略)
———-

…というフレーズはどこかインパクトに残り、少女と思わしき歌声にはちょっとノスタルジックさがあります。
歌詞はゲームの内容を想起させるような感じで、キービジュアのルキャラクターはタワーディフェンス系を想起させるような印象です。

2014年12月、デジタルではないプロモーション展開

12月に入ると、Twitter公式アカウント公開。
新宿ステーションスクエアでの氷像彫刻の展示、ファミ通Appにリリース前から登場と、
デジタルプロモーションではない展開も積極的に行っている印象です。

shirodra_Twitter
▲画像:12月20~26日まで展示されていた城とドラゴンの氷像。(城とドラゴン公式Twitterより)
なお、この氷像を制作する様子が12月26日よりYoutubeでも公開されている。

また、リリースされていない、配信時期未定のタイトルが雑誌の表紙に登場したり、
見開き3ページ近くスペースをとっての特集は、やはりインパクトは大きく感じます。

城dra_雑誌
▲画像:城とドラゴンが表紙になっている ファミ通App No020とアプリスタイル3月号。

2015年1月、リリースに向けて加速

2015年に入り、ティザームービーが公開され、
13日には事前予約の開始と、リリースに向けて加速していきます。
事前予約開始からリリースまで3週間と少しで30万人のユーザーを集めた訳ですが、
どのような事前登録施策をしていたのでしょうか。

主要媒体を使用していない!?自社タイトルから独自の事前予約

くまなく調べていくと、
城とドラゴンは、ハヤトクや予約TOP10といった、主要な事前予約媒体を
ほとんど使っていないようでした。

となると、プレスリリースで公開されている通り、
事前予約数のほとんどが主に自社サイトと既存のタイトル経由ではないかと想定できます。

既存タイトルから送客できる強み

ドラゴンポーカー、ドラゴンリーグA/Xなどのすでに人気作となっているドラゴンシリーズのタイトルの中で、
アクティブなユーザーに向けて新作タイトルの訴求をできるところが、アソビズムの強みと言えると思います。

また、事前予約によって城とドラゴンの特典をもらえるだけでなく、
元々プレイしているゲーム内で使用できる特典も併せてをもらえるというのが、この施策のポイントです。

中には今プレイしているゲームのインセンティブほしさにを事前登録をするというケースも考えられますが、
すでに同社が抱えているアクティブなユーザーに向けてアプローチして、新規タイトルに送り込めるわけです。
良質なユーザーをゼロから見つけ出すための手間もかかりませんし、
従来の事前予約にかけるコスト以上に、費用対効果が見込めるのではないでしょうか。

Screenshot_drapo_and01

Screenshot_drari_and01
▲画像:ドラゴンポーカー、ドラゴンリーグAのゲーム内から、城とドラゴンへの事前予約導線。(Android版)
すでに配信中のiOS版にもストアページへの導線が設置されている

城とドラゴンの施策ポイントを整理

ここまでの城とドラゴンの施策のポイントをまとめると3つのポイントがあると考えます。

(1)自社タイトルからの送客の強さ

これが城とドラゴンの事前予約の大きなポイントであると思います。
今なおある程度まとまった売上を持っている2タイトルから、アクティブ且つ、良質なユーザーがを送客できていた点。
取り立てて、外部媒体からの集客をそれほど行っていなかったことを踏まえると、
自社タイトル経由が強ということは、既存タイトルでユーザ抱えている会社が強く、
今後、城とドラゴンのように、自社タイトルからの送客を積極的に行う会社が増えていくのではないかと考えられます。

(2)ファミ通Appやアプリスタイルといった雑誌で特集が組まれていた点

ファミ通Appやアプリスタイルというと、
すでにリリースしているゲームやこれからリリース予定のゲームの紹介がメインのため、
事前登録が始まっていない段階からの実施はかなり異例なことのように感じました。
紙面掲載にあたり、事前予約の特典コードの付与をどうしていたのか?というハードルを、
ドラゴンポーカー、ドラゴンリーグと併せて掲載することでカバーするなど、
メディアとの付き合いにノウハウをもっているように感じました。

(3)デジタル以外でのプロモーションを活用している点

新宿ステーションスクエアで行われた氷像イベントから、
果たして、どれくらいの集客が見込めたのか…という視点で考えると、
数値化するのは難しい面がありますが、人が集まる場所での実施は見ている人たちへインパクトも大きく、
興味を持つきっかけにもなります。
実際にこういったプロモーションの事例はまだまだ少ないです。

自社タイトルを持っていない企業は、ゲームメディアの活用が一つの手段

では、自社タイトルを持っていない会社は、どのようにゲームを送り出していくのがいいでしょうか?
これは事前予約最前線の記事でも時折触れていますが、
ゲームメディアをうまく活用することがひとつの手段としてあるのではないかと思います。
実際に、完全オリジナルタイトルでも事前予約数を10万人集めているタイトルも徐々に増えています。

また、これまで成功しているタイトルの施策をひとつひとつ振り返ることも大切です。
これからリリースするゲームのジャンル、特徴、ターゲット層などにフィットした施策を組み合わせる事で
それが尖った施策ではなくても、積み重ねがユーザーへ獲得へと結びついていくのではないでしょうか。

おわりに

城とドラゴンの施策は予約数の規模だけでなく、自社タイトルの有効活用という点では注目しておりました。
ゲームアプリだとこのような事例はまだまだ少ないですが、
いわゆるガラケーの月額コンテンツでは、自社タイトル内での回遊施策は、よく行われていたなと、とても懐かしく思いました。
もしかしたらガラケーコンテンツのプロモーションやマーケティングで行っていた施策は、
スマホゲームのプロモーションやマーケティングに繋がる部分があるのかもしれませんね。