[佐野正弘のスマホゲーム業界動向]ゲームのプロモーション活用が進む動画投稿サイト、有効に利用するには

absuke absuke
2015/04/20 (Mon)
スマホゲーム集客


[佐野正弘のスマホゲーム業界動向]ゲームのプロモーション活用が進む動画投稿サイト、有効に利用するには

-はじめに-

スマートフォンゲームのプロモーションの一つとして、Webやバナー広告だけでなく、
「動画」も最近注目され、活用されるケースが増えてきました。
そこで今回は、広がる動画投稿サイトを活用したプロモーションの
有用性について考えていきたいと思います。

増える、動画を使ったプロモーション

スマートフォンゲームのプロモーション手法として、
最近多く利用されるようになったのが“動画”です。
YouTubeなどに代表される動画投稿サイトなどを活用し、
動画でゲームをアピールする企業が増えてきているようです。

動画サイトの人気と注目される、YouTuberたち

なぜ、スマートフォンゲームのプロモーションに動画が用いられるようになったのかというと、
1つは、動画を投稿したり、ライブ配信したりするサイト自体の人気の高まりにあります。
YouTube上で動画を配信して人気を集め、生計を立てている“YouTuber”が
近年メディアに取り上げられるなど大きな注目を集めたことは、記憶に新しいでしょう。

高まる、動画プラットフォーム全体の人気

加えて最近では、YouTubeやniconicoなど、従来の主要動画投稿サービスだけでなく、
「ツイキャス」(モイ)や「MixChannel」(Donuts)など、スマートフォンに向けた動画サービスが人気となるほか、
「SHOWROOM」(ディー・エヌ・エー)のように分野やターゲットを絞った動画サービスの人気も高まっているなど、
動画プラットフォーム全体の人気が高まっていることを実感できます。

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▲モイの動画ライブ配信サービス「ツイキャス」は、登録ユーザー数1000万人を突破し、
累計配信回数が1億5000万回を突破するなど盛り上がりを見せている

スマホでの動画利用増加が、実況中継動画閲覧につながる

そしてもう1つは、ユーザーが投稿するゲームプレイ動画の人気にあります。
ゲームをプレイしながら会話をする、いわゆる“ゲーム実況”動画は、
コンシューマーゲーム主体の時代より動画投稿サイト内で高い人気を獲得していました。
ですが最近では、スマートフォンからの動画利用の広まりによって、
ゲーム実況の文化がスマートフォンゲームにも入り込み、
実況動画を見てゲームに接するユーザーが増えるなど、
大きなプロモーション効果が得られることが見えてきたのです。

強まる、動画でゲームをアピールするという流れ

そうしたことから、ゲームを提供する企業の側が、多くの人が集まる動画投稿サイトを経由し、
動画でゲームをアピールするという流れが強くなってきています。

以前紹介したイベント「闘会議2015」にスマートフォンゲームのブースが多数集結したのにも、
スマートフォンゲームと動画投稿サイトとの関係が密接になり、
相互に影響し合うようになったが故といえるでしょう。

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▲「闘会議2015」にスマートフォンゲームベンダーが多く参加したのも、
スマートフォンにおける動画とゲームの相性の高さ故だ

10~20代に有効に働くとされる、動画プロモーション

ちなみに、動画投稿サイトによるプロモーションが有効に働くのは、
動画を積極的に視聴する10~20代の若い世代と見られています。

この世代の層はスマートフォンのゲームを
積極的にプレイする層と重なり相性がよいことから、
アピールの場として活用するには適しているといえそうです。

小学生世代にも影響を与える「動画投稿サイト」

また最近では、小学生がスマートフォンやタブレットを利用する傾向が高まっており、
動画投稿サイトは小学生世代にも大きな影響を与えるようになっています。
実際Minecraftなどは、プレイ動画から小学生の人気に火がつき、
Minecraftを配信しているPS Vitaの販売増につながったという話もある程です。

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▲ゲームのプレイ動画をきっかけとして小学生に「Minecraft」が人気に。
それを受けて銀座・ソニービルでは、親子向けイベント「マイクラ部全国キャラバン in 東京」が実施された。
画像はそのキービジュアル(ソニー企業プレスリリースより)

広がる、動画を視聴する年齢層の幅

もっともアイテム課金型ゲームの場合、
小学生の利用に関しては“課金のし過ぎ”などの問題も抱えているため、
積極的なプロモーションが難しい部分もあります。
ですが、動画を視聴する層の幅が着実に広がっていることは、
覚えておくと役立つことがあるかもしれません。

大切なのは、その活用方法

急速に広がりを見せる動画のプロモーションですが、重要なのはその活用方法です。
同じ映像でありながら、“ながら見”が多く、幅広いユーザーに対する接点を持つテレビとは異なり、
動画投稿サイトはそのコンテンツが好きな人だけが、目的の動画だけを視聴する傾向にあります。
それゆえ動画投稿サイトで視聴される傾向が強いのは、プロモーション動画よりむしろ、
攻略などユーザーが必要としているコアな情報、
あるいはプレイ動画などユーザーが共感を得やすい内容などが、
求められているといえるでしょう。

ユーザーの視聴するタイミングや目的が異なる

また一口に動画といっても、投稿動画とライブ配信動画とでは、
ユーザーが視聴するタイミングや目的が異なってきます。
投稿動画は自由なタイミングでじっくり視聴されることから、
ユーザーがいつ見ても楽しめ、有益な情報が得られるコンテンツが求められますし、
ライブ配信はその時しか楽しめない内容が求められることから、
ユーザーのリアルタイムな反応を得て、一体になって楽しめる要素が必要と考えられます。

Webやバナー広告のプロモーションとは異なるノウハウ

加えて、動画で上手にプロモーションに活用するには、
人員や設備、そして注目を集めるコンテンツを制作する能力も必要となってきます。
Webやバナー広告によるプロモーションとは大きく異なるノウハウが求められることから、
まずは既存のゲーム動画や、ユーザーから支持を得ている実況動画などを視聴し、
その活用方法を研究してみるのがいいのではないでしょうか。

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執筆者紹介
佐野 正弘(さの まさひろ) モバイルジャーナリスト 福島県出身、東北工業大学卒。
エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

■定期執筆中の媒体
「佐野正弘が読み解く スマホアプリマーケット傾向と対策(日経BP社)」 「佐野正弘のスマホビジネス文化論(アイティメディア社)」 など多数。