[佐野正弘のスマホゲーム業界動向]低年齢のファン獲得に力を入れた 「ガンホーフェスティバル2015」レポート

absuke absuke
2015/06/15 (Mon)
スマホゲーム集客


[佐野正弘のスマホゲーム業界動向]低年齢のファン獲得に力を入れた 「ガンホーフェスティバル2015」レポート

-はじめに-

5月31日に幕張メッセで開催された、「ガンホーフェスティバル2015」。
同イベントでは昨年と比べ大きく異なる変化が見受けられました。

今回は会場を訪れた様子から、どのような変化が起きているか、
またその変化にみる、ガンホーの狙いについて考えてみました。

ガンホーフェスティバル2015に見る変化。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下、ガンホー)は
5月31日、「パズル&ドラゴンズ」(以下、パズドラ)など、
同社のゲームが一堂に会したイベント、「ガンホーフェスティバル2015」を開催しました。

昨年の東京ビックサイトからさらに会場を広げ、
幕張メッセで実施された同イベントの内容からは、
ガンホーのイベント活用の方向性が変化しつつあることを見て取ることができました。
会場を訪れた様子から、同社の狙いについて取り上げていきましょう。

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▲会場を幕張メッセに移し、より大きな盛り上がりを見せた「ガンホーフェスティバル2015」

ファンに向けた展示やイベントから子ども向けにシフト

ガンホーフェスティバル2015の会場を訪れて、最も大きな変化だと感じた点は、
子供向けの遊戯施設を充実させていたことです。
ゲームのイベントといえば、通常はゲームのファンに向けた展示やイベントが多くを占めており、
従来のガンホーフェスティバルでも新作ゲームや、キャラクター・イラストの展示、
さらには「パズドラジャパンカップ」の予選・本選などがイベントの中心になっていたといえます。

ですが今回のガンホーフェスティバルでは、そうした要素よりもむしろ、
ガンホーのキャラクターをあしらった電車「ガンホートレイン」や、
パズドラのキャラクター「たまドラ」の中に入ってトランポリンで楽しめる「たまドラふわふわ」など、
子供、しかも小学生より下の層に向けたアトラクションが多く設置されていたのです。

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▲「ガンホートレイン」「たまドラふわふわ」など、子供向けの遊戯コーナーが大きな場所を占めていた

より下の年齢層に向けた展示に力を入れている傾向が強くでた

ゲーム関連のブースでも同様の傾向が見られます。
「ディバインゲート」のブースではバルーンアートのワークショップが実施されていたほか、
「サモンズボード」のブースではモンスターに色を塗り、
それをモニターに取り込んで楽しむ、「お絵かき召喚」などを実施。
ゲームのターゲット層とは異なる、より下の世代となる小学生やそれ以下の層が楽しめる展示に
力を入れている様子を見て取ることができました。

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▲「ディバインゲート」ではバルーンアート、「サモンズボード」ではお絵描きといったように、
パズドラ以外のゲームでも子供向けを狙ったイベントが多く実施されていた

消えた、コアファン向けのイベント

その一方で、今年ガンホーフェスティバルから姿を消したのが、
ガンホーのかつての主力タイトル「ラグナロクオンライン」のコアファンに向けたイベントの数々。
従来のガンホーフェスティバルでは、同タイトルのファンに向け、
コスプレイベントやファン作成のグッズ即売会などが展開されており、
ファン同士の交流の場にもなっていました。

コアファン向けイベントがなくなったのは大きな変化

ですが今回のガンホーフェスティバルでは、ラグナロクオンラインのキャラクターが登場する
アトラクションなどは存在するものの、ファンに向けたイベントは一切なくなっていたのです。
ガンホーがスマートフォン向けゲームを主軸に据えるようになった影響も少なからずあるかもしれませんが、
先の子供層に向けた注力と合わせて、コアファンに向けたイベントがなくなったことは
非常に大きな変化と考えられます。

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▲昨年のガンホーフェスティバルより。これまで実施されていた「ラグナロクオンライン」のファンを主体とした
コスプレや即売会などのイベントは、今年姿を消していた

長期的にみた、ファン育成

ではなぜ、ガンホーはゲームのコアファンよりも、
子供を重視したイベント施策を展開するに至ったのでしょうか。
その理由は、年齢の低いうちからガンホーのゲームに何らかの形で触れてもらうことによって、
将来的なファンを育てることですそ野を広げ、
ゲームの人気を継続させていきたいということではないかと考えられます。

パズドラヒット後の横展開手法にみる低年齢層獲得

その根拠となるのが、パズドラがヒットした後の横展開手法です。
パズドラの配信は2012年ですが、ガンホーは翌年にニンテンドー3DS向けの「パズドラZ」を販売。
2014年には子供をターゲットとしたアーケードゲーム「パズドラZ テイマーバトル」を提供しているほか、
今年1月には「パズル&ドラゴンズ トレーディングカードゲーム」を販売するなど、
低年齢層獲得に向けた横展開に力を入れているのが分かります。
低年齢層に強い任天堂とコラボレーションした
「パズルアンドドラゴンズ スーパーマリオブラザーズ エディション」も、
そうした取り組みの一環として見ることができるかもしれません。

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▲今年には「パズル&ドラゴンズ トレーディングカードゲーム」を販売するなど、
ガンホーは比較的低い年齢層を狙ったパズドラの横展開を進めている

息の長いファン獲得につなげる取組み

そうしたことからガンホーは、現在のファンだけに固執するのではなく、
イベントでもパズドラを主体として子供の集客に力を入れることで、
ファンを育てて安定・継続した売り上げを獲得するべく、イベント内容を大きく変化させてきたといえそうです。
息の長いファン獲得につなげる取り組みとして、大いに注目できる事例といえるのではないでしょうか。

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執筆者紹介
佐野 正弘(さの まさひろ) モバイルジャーナリスト 福島県出身、東北工業大学卒。
エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

■定期執筆中の媒体
「佐野正弘が斬る! ニュースなアプリの裏側(日経BP社)」
「佐野正弘のスマホビジネス文化論(アイティメディア社)」 など多数。


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